「子供の健やかな成長を祈って…」そんな思いを雛人形に託して飾るお祭り、桃の節句が先週ありました。
日々成長していく子供が話す言葉。その “ちいさな言葉” を、書き留めたのがこの『ちいさな言葉』という本です。
読んでいて考えたのは、共に過ごす “親子の時間” のかけがえのなさについて。これは “家族” でも同じだなと思った時、もう一冊浮かんだ本があります。
『家族の歌』
歌人の河野裕子さん。その夫の永田和宏さん、そして長男夫婦と長女、一家五人が皆、歌人という家族なのですが、2010年に河野裕子さんが癌で亡くなってしまいました。その最期の日々を、家族5人がリレー形式でエッセイにまとめたのが、この本です。
印象的だったのは、夫婦、親子が共に過ごした時間、その時間の記憶を共有する者が家族なのだという文章です。
“誰かが「あの時の…」と言えば、すぐに誰かがその〈時〉を取り出して相槌を打つ。それが家族なのかもしれない。家族の記憶の中では、時間はいつでも、そしてどこでも取り出すことができる。”───〝時間の記憶を携えて〟───
共有する時間の記憶、一体どれ程作って来ただろうか…。ちょっと反省した一冊です。
豆柴と黒柴。
どこかのワンちゃんに似た子はいませんか?