おおさき産業フェア

堀切川教授インタビュー

 おおさき産業フェア2018に出展するブースの中から、優れた製品や技術に贈られる「Dr.ホッキー賞」は、東北大学大学院工学研究科の堀切川一男教授(ドクターホッキー)の審査によって行われ、出展企業は受賞を目指し、自社開発製品や研究開発技術を披露します。Dr.ホッキー賞はおおさき産業フェアの出展製品や技術を向上させることを目的に行っており、おおさき地域の産業の発展やものづくりのこれからに大きく寄与しています。

 

ヤマセ電気株式会社

 「部分めっき」は、大手自動車関連企業と県産業技術総合センターと連携して開発を進め取り組んできた新技術で、現在では自動車のドアスイッチベースや内装加飾で用いられ、家電など他分野での応用も利きやすいとして期待されています。マスキング処理など従来行っていた工程を半分以下に短縮することで作業効率が大きく向上し、工程短縮や必要部分にだけめっきをするため、めっきに使用する金属ロスも減るなどコストも大幅に減少。さらには有害化学物質の六価クロムを使用する必要もなくなり、環境への負担も削減しました。印刷技術の応用と同社の得意分野でもある金属などを蒸発させ付着させる「蒸着」という工法が、加工が難しいとされるゴム材であっても剥がれないめっきを施す事が出来ることで実現した技術で、部分めっきを活用して小型電子機器の筐体などに回路を形成し、基盤レス化の実現に向け研究を進めています。

 行程簡素化、「基盤レス」へ 「部分めっき」

 

株式会社畠茂商店

 高速で走る列車にとって、レールの小さなゆがみは乗り心地や脱線事故につながります。

 「リアルライナー」は高性能レーザーを用い、長い区間に渡りレールのゆがみを高い精度で検出できる測定器で、類似品に比べ非常に安価であることと操作の明快さが評価され受賞しました。レーザー発信器と移動ターゲット台車の二つを組み合わせた機器で、路線に設置した発信器からレールと平行にレーザーを照射し、台車に搭載したスクリーンがレーザーを受け、高画質カメラがレーザーの位置を読み取り座標に変換。グラフで路線のゆがみを表します。また気象条件が整えば120メートルにわたっての測定を可能とし、天候に応じたプリセット機能も搭載しており、従来では不可能であった測定も可能になっています。さらに測定人員や手間が省けることに加え、高度なメンテナンスも必要としないため、効率的で実用性のある測定器となっています。今後はデータを蓄積し、応用技術を利用した鉄道以外での活用にも期待がもてます。

 高性能レーザーでレール測定 「リアルライナー」